2024.06.07
色について・・・
「心地良い空間」や「素敵な空間」というものは、単に広さや天井の高さといった空間のスケールだけで成り立つものではないと考えています。それは、ほんの些細な気配りや配慮の積み重ねによって生まれるものだと思います。
具体的な納まりや素材についても検討すべきことは多々ありますが、仕上げとして最初に人の目に入る情報は「色」です。今回は、実際の物件の写真をもとに、色の使い方や検討しているポイントをお伝えできればと思います。
配色の検討というのは慎重に進めるべき作業の一つであり、単に点として色が素敵だからといってそれらを組み合わせることで全体として良い空間や建築ができるわけではないと思います。
私は、外観の色や内装を含めて、色の組み合わせを3色までに抑えることが多いです。3色以内に抑えることで、全体的に統一感があり、まとまった印象を与えることができます。もちろん、3色以上を使うことが悪いというわけではありませんが、その場合、より多くのパースや模型での検討が求められ、同時にセンスも問われると思います。
こちらの物件では、LDKのアクセントとして水色をどこかの壁面に取り入れたいというご要望がありました。アクセントカラーは特に慎重に検討する必要があるため、何度も現場で検討を重ねます。柔らかい木目の色調にマッチする水色をセレクトすることができ、お施主様も喜んでいらっしゃいました。
伯望